Alfa Romeologo164 Super 12v

Impressione Secondo

- 8 dicembre 2000 -

インプレッション、その2。

 で、ですね、肝心の走りの方ですが、これまた最初の印象は普通でした。

 言われるほどトルクステアがあるわけじゃない。アンダーステアもありません。ステアリングを回すと、素直に車が曲がっていくのは好印象です(ちなみにトルクステアに関しては、マイナーチェンジ後に改善されたらしい。エンジンの搭載位置とドライブシャフトの角度を変更して対処した、とモータースポーツ・ジャーナリストのアラン・カスカート氏は書いています。それでも全開で踏んでいくと、やっぱりトルクステアはありますけれど)。

 乗り心地は、ゆっくり(40km/hくらいで)走っていると、なんだか縦に揺さぶられるようで、あまり気持よくありません。が、ちょっとスピードを出せればそういうことはなくなります。ハーシュネスがまったくないのは素晴らしい。足回りそのものはそんなに柔らかいわけじゃないのですが、ガツンとくることはまったくありません。しかし、メルセデスやBMWのように、流れるように、滑るように走っていけるのとはちょっと違う。高級乗用車としての洗練度はまだまだという感じです。

 室内は、そこそこに静かです。160km/hを超えるあたりからドアミラー付近の風切り音が気になるようになりますが、普通の速度では嫌な音はありません。

 エンジン音はよく聞こえる。でも、これも世にいうほどにはいい音ではありません。BMWの6気筒の方がずっといいと思います。アルファのV6は、よく言えばクラシックで生き生きとした迫力のある音です。V型エンジンを積んだアメリカン・モーターサイクルみたいな感じ。ドドドドド、っていう。ぼくが知っている中では、シボレー・カマロのV6が一番近い感じです。

 でも、悪く言えばトラックみたいな音といえなくもない。その辺を考えると、同じアルファでも156の4気筒トゥインスパーク・エンジンの方がよかった、と、最初の印象では思いました。でも、中古車屋さんに数カ月置いておかれたのが、毎日乗って目覚めさせていくと、だんだんいい感じになってきました。

 回り方は、やはり日によって、というか、状況によって、ちょっと違います。からっと晴れた日で、エンジンも十分に暖まっていると、とてもスムーズな回り方になります。そうじゃないと、1発1発の爆発が荒っぽい。

 オートマティック・トランスミッションは、最低の部類に入るかも知れません。なにしろ、Dレンジに入っていると床まで踏み込んでもレブリミットに達する前にどんどんシフト・アップしていってしまうのです。もしかして調整がおかしいのかな?

 ブレーキもあまりいい感じではありません。踏みはじめはあまり効かず、1/4くらい踏んだところから突然効きはじめます。だから、普通に踏むとカックンとなっちゃう。運転が下手な人に思われちゃいそうです。

 で、実はまったく期待していなかったハンドリングなのですが、BMWよりいいのですよ、これが。まず、BMWよりはクイックです。混んだ道を、ちょっとオトナゲなく車線変更しながら走り抜けていくとかいうのが、なかなか気持よくできます。

 BMWのハンドリングは、極めて正確で高品位なフィールですが、どこまでもアンダーステアです。そのうえステアリング・ギアが遅いので、一所懸命ハンドルを回さないと曲がってくれない。やればやっただけのものが返ってくるのが美点ですが、すごく抑制的なのです。サッカーのオフサイドみたいなものです。 

 164は、普段は眠っているらしいんですが、山道みたいなところにくると、「さあ、一緒に走りましょ」という感じになります。(^_^) サーキットで攻めたらどうか分かりませんが、普通の道で軽く飛ばすと、すごく軽快になる。思ったところに車がいくし、パワーと車重とハンドリングのバランスがぴったり合う。普段は扱いにくいブレーキも、不思議なことにまったく違和感がなくなります。 120km/hとかの中速コーナーでも、外に行っちゃいそうなところをさらにアクセルを踏み込むと、すっとフロントがインに入っていったりする。FFなのにどうして? でもとにかくそうなのです。そういうときの4000回転以上回っているときの音は、喜びに満ちています。で、思うわけです。「あ、やっぱりアルファロメオはスポーツカーなんだな」って。

 いろんな事情があって乗用車をやっているけど、ほんとは走りたいんでしょうね。だから、普段は適当に仕事をして、半分眠っている。「面白そうなところにきたら起こしてね」ってことなのでしょう。

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